【野沢尚】

【破線のマリス(野沢尚・講談社文庫)】

タイトルにある『破線』はTVのブラウン管に放射される512本の走査線のこと。そして

『マリス』は放送の意図的な悪意を指します。この物語はTV番組のフリー編集者である遠

藤瑶子を通して『官僚と財界の癒着』『仕事に生きる女性』等様々な問題が詰め込まれてい

ますが、メインは『マリス』について述べられています。野沢さんは脚本家でもあるので、

放送に関する記述について、非常に緊張感 を伴った文章を書かれています。また、シナリ

オの緩急のつけ方が絶妙で読んでいる者を飽きさせません。まるで2時間枠のドラマを見て

いるようでした。