【シェル・シルヴァスタイン】
本屋で友人に『面白い絵本があるから見てみー』と言われて手にとって『絵本ってこん
なにも大人向きな作品があるんだ!』と驚いてしまった作品でした。その時は驚いただ
けで終わってしまったのですけど、相方が持ってきてくれた本の中に同タイトルの本を
発見しようやくじっくりと読ませてもらった次第です。
【ぼくを探しに(倉橋由美子訳)】
ゆっくりと転がる球体の主人公「ビッグ・オー」、どこまでも続く道、花やミミズ、あと『か
けら』たちがひたすらシンプルなイラストと一人称な台詞で構成されているのですが、ただの
主人公の物語とも取れますし、哲学的というか人生観を現しているようにも感じます(その内
容は読む者によって随分と変わるのでしょうけど)。誰もが胸に抱いているであろう、そして
そのまま胸の中に締まっておこうとしている『心の欠落部分』というものを上手く表現出来て
いるなと感心してしまうのでした。
【ビッグ・オーとの出会い(倉橋由美子訳)】
「ぼくを探しに」の続編にあたる本作品は『かけら』が語り部となっています。ひたすら自分
に合った球体を待ち続ける『かけら』ですが中々見つからず、見つかったと思っても合わなく
なって分かれてしまう。そんな時に出会った完全球体のビッグ・オーと出会った『かけら』は
自分で自分の殻を打ち破る術のヒントを教えてもらう。そして『かけら』は・・・。という内
容になっています。あとがきに訳者が前作の主人公『ビッグ・オー』は女性に、『かけら』は
男性に感じてしまうと書いてありましたが、これは『ビッグ・オー』に対して感情移入した結
果、自分の性に置き換えてしまった結果だと思います。だって私には逆に感じますもの。また
本作品で登場する『ビッグ・オー』に父性というか親が子を諭すような感覚を持ってしまうの
は何故かしら?