《 最 近 読 ん だ 本 》 MysteryContents Contents

 

後巷説百物語(京極夏彦:角川書店)

★★★★★+(京極堂フリークなら)

タイトルにもあるように巷説物語シリーズの第3作目に当たる本書は、又

一やおぎんの活躍した仕掛けについて老人になった岡山百介が若者たちに

語ってゆく形式となっております。全6話ある中で4話目までが舞台を整

えさせるまでの儀式で、5話目の『5位の光』でぐっと心の臓を鷲掴みに

し、最終話『風の神』で、本当の意味でのこの物語のクライマックスを迎

えます。実際最後から2話を読むまでは『最近の京極堂って読ませるパワ

ーが落ちてるよな』って思っていたのですが、久々にページをめくるの

かなりドキドキさせられましたし、最後の場面などはかなり切なくずっと

に刻み込まれるような名場面であったと思います

だこの作品を100%楽しむのであれば、他の京極堂作品をほぼ読ん

と(最低でも巷説シリーズは順番通りに読んでおくこと)をお勧

します。直木賞作品だからこの本から読み始めた人にとっては★★☆☆☆

らいの評価になってしまうかもしれないのがちと心配です。

 

マルドゥック・スクランブル1〜3(冲方丁:早川文庫JA)

★★★★☆

少女娼婦であったバロットが事件に巻き込まれ、事件屋であるウフコック

とドクターに救出され九死に一生を得、自分自身を獲得して行くために闘

いに身を投じる少女と相棒ウフコックの物語です。スピード感溢れるアク

ョンシーンの描写も見事なのですが、カジノで行われるルーレットやポ

ーカーでの静寂感と息苦しいまでの緊張感は圧巻です(誰かとポーカーが

やりたくなってしまうくらいにです)。またディーラーとの会話シーンも

皆かっこよ過ぎで痺れてしまいます。個人的に印象に残っているのが、

『愛されたい・・・』と思いながら相手を愛することが出来ない

と、バロットが苦しい時に口ずさむ『灰、金、屑、壊す、ぶん殴る、

打ち、目茶苦茶、ちくしょう!、皿、洗う、磨く、流す、光、新鮮、

・・・』というフレーズです。ちなみに『SFが読みたい!2004年版

』で国内編第1位だそうです。

 

ライオンハート(恩田陸:新潮社文庫)

★★★☆☆+

エリザベスとエドワード、時と空間を超えたふたりの愛の物語です。あ

りにも理不尽で切なすぎる2人の逢瀬シーンに思わず涙目になってしまう

ともしばしばありました。ただラストシーンが・・・だったというのは

さりげなくて綺麗なシーンと受け取るか物足りなーいっと受け取るかで

数が随分と変わってくるのではないでしょうか。ちなみに私は残念ながら

後者でした。

 

微睡みのセフィロト(冲方丁:徳間デュアル文庫)

★★★☆☆

最初に『このミス’03』で冲方丁さんがランクインしているのを見て、

の方の作品を読んでみようと思たのでした。ジャンルはSFミステ

ーになると思うのですけど、SFならではの問題定義が面白かったす・

・・という訳でこのミス入選作品『マルドック・スクランブル』を読

でみることが決定したのでした。

 

Dクラッカーズ7−1,−2(あざの耕平:富士見ミステリー文庫)

Dクラの最終作品となる当作品は、特に驚くシーンもありませんでしたが

、王道的な締めくくり方をしていて安心するというか納得の終わらせ方で

た。ちょいと−1の最初がもったりした感じでしたけど、それは余韻と

うことなのでしょうね。

 

ななつのこ・魔法飛行・掌の中の小鳥(加納朋子:創元推理文庫)

『ななつのこ』と『魔法飛行』は短編連作モノの続編となりますので、こ

の順番で読まないと駄目ですよ。北村薫センセの『円紫師匠と私』シリー

に似た感じがしますが、主人公と作者の距離感が微妙に違いますね。私

は甲乙付け難く両方共に好きなのですけど。『掌の中の小鳥』も同じく

の中の連作モノとなるのですが、登場人物の年齢が高いため若干大

人向きになっています。どちらも面白いので是非読むべし。

 

R.O.D(倉田英之:スーパーダッシュ文庫)

OVA,TVで発売されている堂タイトルのノベライズ版となりますが、

同じ内容をなぞっているのではなく、それぞれ舞台や時間系列が異なって

いるので、少しでも面白い世界だと思ったら全ての作品を網羅する必要が

あります。その方がこの世界を数倍も面白く感じられるでしょうから。ち

なみに1冊目はこんなものか・・・と思いましたが、2冊目以降はぐぐっ

と文系アクションと世界観とキャラはまり込んでしまいました。とな

にふぇび的に『天地無用!魎皇鬼』と同じようなはまり方をしておりま

・・・(^_^;

 

誰か(宮部みゆき・実業之日本社)

久々の宮部さんの現在モノです。会長専属運転手であった父親が自転車には

ねられ死亡してしまった姉妹が、父親の無念を晴らすべく、犯人を見つけ

すために会長に相談し、会長の娘婿で編集者である主人公のところへ話を持

ってくるところから話が始まります。宮部さんの作品らしく、一筋縄では

わらない展開に最期までじっくり読ませてもらいました(寝る間を惜しんで

・・という程ではありませんけど)。また時事ネタをさりげなく散りば

てゆくのが得意な宮部さんらしく、今回でも上手に納得させてくれます(個

人的にはマンション管理会のやり取りに非常にリアリティーを感じてしまい

した)。最後はちと切ない展開に寂しさが募るかもしれませんので一応

報告いたいます。

 

真・天地無用!GPX(梶島正樹・富士見ファンタジア文庫)

この本は一連の天地無用シリーズの原案を手がける梶島氏が監修しており(

購入するまで知らなかった・・・)、またテレビ版と同じじゃ小説化する意

味が無い!という梶島さんのこだわにより、非常に読み応えのある、『

ぁテレビ版をしっかりと観ていれば良った!』嘆かしてくれる作品に仕上

っています。ま、あくまで天地無用魎皇鬼シリーズファン向けなのです

けどね。

 

黄泉がえり(梶尾真治・新潮文庫)

映画化&クロノスジョウンターの伝説を読んだ勢いで読んでみました。ある

日突然死んだ人が蘇って玄関先に立っているというホラーチックな展開な感

じなのすけど、そんな内容ではなく梶尾真治さんらしい作品に仕上がって

います。ですけど半の壮大さに比べてラストシーンの物足りなさを感じ

しまったのって私だけでしょうか?寂しさがつきまとうのは内容上仕方ない

のでしょうけどね。あとギターリストの復活話が一番分かり易かたです。

 

クロノス・ジョウンターの伝説(梶尾真治・ソノラマ文庫)

クロノス・ジョウンターという不完全なタイムマシンをベースとしたSF悲

哀モノという括りになる短編連作集になります。どの物語も登場人物の純粋

に心を打たれて感動しながら読んでいました。『エマノン』シリーズ以外

のカジシンの作品を読だのですが、ポツポツ読んでいきたいと思います。

 

歌の翼に(菅浩江・祥伝社ノベルズ)

表紙のイラストと音楽モノということで気になっていたので購入しました。

洞察力の鋭いピアノ教室に通うほんわかとした音大(首席)出の主人公が

室内外で起こる日常の謎を解きあかしてゆく内容になっています。最初のう

ちはホントにほんわかした雰囲気に和やかにされますが、途中から主人公の

謎へと入っていき、暗く重いテーマへ変わってゆきます。この部分は賛否両

あると思われますが(固辞的には生々し過ぎかも)他の作品も読んでみよ

かと思っています(平成15年8月頃に読み終えていましたが、数カ

Pし忘れていました(汗))

 

スクランブル(若竹七海・集英社文庫)

15年前、東京のとある女子校のシャワールームで一人の少女の殺害死体が

見された。この事件は当時解決されずに15年という歳月が過ぎ、友人の

一人の結婚披露宴に集まり、ついに事件の真相に思い至る・・・といった

テリー作品の形式をとっていますが、どちらかというと事件に関わる

ちの心の動きをリアルに描いた作品であると思います。高校時代

ちの行動と読者自身が少しでも重ねることが出来るのであればこの作品

っと言う間に読み終わってしまうくらいの楽しさとパワーを秘めており

。ただし読み手を選ぶ(時代背景的に昭和40年生まれ前後がベターか

れません)。ちなみに私は楽しく読めました(笑)。